2014年12月08日
私たちの尚巴志ものがたり 第2話
広報なんじょう(10月号)
≪私たちの尚巴志ものがたり≫② ―鬼鷲(おにわし)の話―
教育委員会 文化課
皆さまは尚巴志が「鬼鷲(おにわし)」と呼ばれていたことをご存じですか?これは、『おもろさうし』(註)という本に出てくる言葉です。1372年、佐敷の地に生まれた尚巴志は、父:思紹とともに佐敷グスクの主としてこの地を治めていました。今回は「鬼鷲」と呼ばれ、住民に慕われていた巴志の立派な様子をオモロでご紹介しましょう。
『おもろさうし』19巻-10
佐敷(さしき)苗代(なわしろ)に
孵(す)でもの 真物(まもの) 真玉(まだま)の
取り揚がる みしや子
又 もたい苗代に
意味:佐敷の苗代に、勝れ栄える苗代に生まれた、本物の能力を持った優れたお方。
美しい玉をとりあげて評判になった方(尚巴志)がおられて見事なことよ。
『おもろさうし』19巻-11
佐敷(さしき)門口(ぢやうぐち)に
鬼(おに)鷲(わし)の
羽撃ちする 見物(みもん)
又 北(にし)の門口に
意味:佐敷の門口で、北の門口で立派な鷲が羽ばたきしている様の見事なことよ(「鬼鷲」の「鬼」は美称辞で、「りっぱな・素晴らしい」という意味)。
如何でしょうか、尚巴志がまさに三山統一へ向けて羽ばたこうとしている勇ましい姿が感じられませんか?彼の目には、琉球王国の栄華がすでに見えていたのかも知れません。尚巴志を象徴する「鬼鷲」の二文字は、南城市にとって大切な表現、重要な意味を持つキーワードとなりそうです。
***** ***** ***** ***** ***** ***** ***** *****
註: 『おもろさうし』とは琉球王国時代、首里王府によって1531年~1623年の間に編さんされた沖縄の古い歌謡であるおもろをまとめた歌謡集です。全22巻あり、1554首が収録されています。
南城市と深く関連するのは巻18・19・22に収められた計143首です。これらのオモロは、第一尚氏を中心にその時代の社会状況を反映しながら、東方(あがりかた)の聖地性を見事にうたいあげています。
参考資料 : 外間守善校注 『おもろさうし上・下巻』岩波書店 2000年

≪私たちの尚巴志ものがたり≫② ―鬼鷲(おにわし)の話―
教育委員会 文化課
皆さまは尚巴志が「鬼鷲(おにわし)」と呼ばれていたことをご存じですか?これは、『おもろさうし』(註)という本に出てくる言葉です。1372年、佐敷の地に生まれた尚巴志は、父:思紹とともに佐敷グスクの主としてこの地を治めていました。今回は「鬼鷲」と呼ばれ、住民に慕われていた巴志の立派な様子をオモロでご紹介しましょう。
『おもろさうし』19巻-10
佐敷(さしき)苗代(なわしろ)に
孵(す)でもの 真物(まもの) 真玉(まだま)の
取り揚がる みしや子
又 もたい苗代に
意味:佐敷の苗代に、勝れ栄える苗代に生まれた、本物の能力を持った優れたお方。
美しい玉をとりあげて評判になった方(尚巴志)がおられて見事なことよ。
『おもろさうし』19巻-11
佐敷(さしき)門口(ぢやうぐち)に
鬼(おに)鷲(わし)の
羽撃ちする 見物(みもん)
又 北(にし)の門口に
意味:佐敷の門口で、北の門口で立派な鷲が羽ばたきしている様の見事なことよ(「鬼鷲」の「鬼」は美称辞で、「りっぱな・素晴らしい」という意味)。
如何でしょうか、尚巴志がまさに三山統一へ向けて羽ばたこうとしている勇ましい姿が感じられませんか?彼の目には、琉球王国の栄華がすでに見えていたのかも知れません。尚巴志を象徴する「鬼鷲」の二文字は、南城市にとって大切な表現、重要な意味を持つキーワードとなりそうです。
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註: 『おもろさうし』とは琉球王国時代、首里王府によって1531年~1623年の間に編さんされた沖縄の古い歌謡であるおもろをまとめた歌謡集です。全22巻あり、1554首が収録されています。
南城市と深く関連するのは巻18・19・22に収められた計143首です。これらのオモロは、第一尚氏を中心にその時代の社会状況を反映しながら、東方(あがりかた)の聖地性を見事にうたいあげています。
参考資料 : 外間守善校注 『おもろさうし上・下巻』岩波書店 2000年

Posted by 尚巴志活用MP at 17:25│Comments(0)
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