ついに28年度の文化遺産巡りコンサートが大団円を迎えました。
場所は、大里字南風原区にある『食栄森御嶽』(いいむいうたき)です。
『食栄森御嶽』は区第一の聖地です。集落の神が見守るなかで、組踊「執心鐘入」が行われました。
今回も会場が若干狭いこともあり、立ち方の所作や踊りのない、「唱え組踊」です。
立ち方に、地謡がまわりを囲むように配置された組踊は、仲村渠とも違った味わい深い雰囲気の中で行われました。
唱えや地謡の演奏は、薪能を思わせ、静寂を打ち破り、来場者のみなさんの耳に心に響きわたっていったようで、来場のみなさんが舞台に引き込まれていく様子を肌で感じることができました。
執心鐘入のクライマックスである鬼女と座主の対決の場面で、座主がお経あげると、なんとコウモリが鳴きだしました。そのタイミングの良さに何かを感じたのは私だけではないのでないでしょうか。
アフタートークでは、出演者の玉城和樹さん、川満香多さんが参加。
川満さんによる唱えの違いの披露や玉城さんによる三線の演奏があり、真面目あり、笑いありのトークとなりました。
会場には小さな子供たちが多く来場しており、コンサートの目的でもある世代間の交流を目の当たりにし、本事業が上手くいったのかなと感じました。
今回で28年度の文化遺産めぐりコンサートは終了です。
出演者のみなさまをはじめ、各会場にいらっしゃっていただいたみなさまありがとうございました。
文化遺産での組踊、なかなか味わうことができないすばらしい空間であったと思います。
幸いに天気ももってくれて、すべて屋外でできたことに感謝です。
各集落の神さまのおかげかもしれませんね。
今回、出演していただいた「子の会」のみなさんは、国立劇場おきなわの組踊研修を修了された方々であり、12月3日(土)には、「子の会」のみなさまによる組踊「伏山敵討」を国立劇場で行うそうです。
今回、組踊を観て、さらにみてみたいと思ったみなさんは、ぜひ足をお運びくださいね。